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Posted by - 2020.07.06,Mon
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Posted by 新矢晋 - 2013.08.04,Sun

ツイッターで流していた短文をまとめました。
死ネタ含みますので注意。




ろなみみ50 その5


あんたの言葉はいつも綺麗で、
あんたの目はいつも前を向いていて、
だから俺は息が出来なくなる。
あんたの願いはとても真っ当で皆を想ったものだから、
叶えてやりたいとは思うけどそれは。
それは間違えた願いだよ。
俺はあんたと違って矮小で利己的な人間だから、
たとえ間違えた願いでもあんたが望むなら叶えるよ。
誰もが幸せな、
けれどどうしようもなく間違えた世界で笑うあんたが、
笑えなくなったならその時は、
//「おやすみなさい、いい夢を。」



あんたにすがりつくふりをして、首筋に吸い付き跡を残した。
余裕なんて置き去りにしたあんたはがむしゃらに俺を抱いて、
そのくせ終わってからは俺の目を見ようともしない。
俺に溺れる自分を恥じている?
違う、溺れているのは俺の方だと早く気付けばいい。
//あざとい、痣



ベランダから見上げた月がひどく綺麗で、
俺は誰も聞いていないと思ってそっと「月が綺麗ですね」と囁いた。
「そうだな」と背後から聞こえた声に慌てて振り返ると彼と目が合って
、柔らかく目を細めてとても優しい声で「月が綺麗だな」って言うからずるい。
何も知らない癖に。
//月が綺麗ですね



ホルダーに鍵を通す。
愛らしい兎のそれは俺には似合わないが、彼に渡すのだから問題無い。
よくうちに遊びに来る彼を待たせるのは申し訳ないし、
鍵を預けても構わないくらい信用している。
だから、何気ない素振りで渡してしまえばいい。
握り締めた鍵が熱いのは、体温が移ったからだ。
//手のひらの熱



「渡しておくものがある」
俺を招き寄せ手を出させて、
「君が遊びに来た時、俺がまだ帰っていなかったら外で待たせてしまうからな」
きっと他意なんてなく、あんたはその小さな鍵を俺の手に乗せた。
兎のキーホルダーがこちらを見上げていて、俺は「ありがと」と言うのが精一杯で。
//手のひらの熱



違う違うそんなはずない。
俺はいたってノーマルで、
女の子のおっぱいとかお尻とか大好きだし、
イオをおんぶするのはまだ諦めてないし顔面騎乗はご褒美だし!
なのになんで、なんで!
あいつとキスする夢なんて見る上に、頬の熱が引かないんだよ?!
//時々ヤツの夢を見る



じーっと彼の連れている悪魔を見詰めていた俺に、
彼は不思議そうに首を傾げた。
「どうした?」
「うん、乗れそうだなって」
ふわふわと浮かんでいる山羊頭の悪魔を見て、
彼は納得したように頷くと携帯を持ち直した。
「乗ってみるか?……いいな、バフォメット」
鷹揚に頷いた悪魔は少し高度を下げると俺を見た。
俺が恐る恐るその胡座をかいた膝の上に腰掛けると、
鼻を鳴らした悪魔がぐんと高度を上げる。
ぐらふわと不安定で面白いけど、
これは落ちないようにするのが大変だ。
必死にバランスをとる俺を見かねたのか、
悪魔の腕が俺の腰に回る。
それでようやく高い視点からの景色を楽しむ余裕が出来たというのに、
「……バフォメット!下がれ!」
ロナウドが何故だか苛立たしげに指示をして、
地面へと俺を降ろすや否や悪魔は送還される。
文句を言おうとしたらいきなりぎゅうと抱き締められて、
しかも腰を重点的に擦られて、
まあなんとなく理由がわかってしまった俺は
溜め息を吐きながらも頬が緩むのを止められないのだから、いいか。
//不思議な乗り物



信じられない、と。ああやっぱりか、と。
二つの相反する気持ちがその報せを聞いた俺の胸に沸き上がった。
寂しげに、あるいは不安げに顔を見合わせる仲間たちに
俺は努めて平静な声で、真剣な顔で、静かに宣言する。
……俺たちは、例え何があっても、世界を変えなければならないのだ。

硬ければ硬いほど、折れるのは容易い。
もう世界は俺たちの信じた形にはならない。
差し伸べられる手を振り払う時に感じた痛みは単なる良心の痛みで、
俺を見た青に目が眩んだからではない。
俺は俺に殉じたのだから、何に恥じることもないし思い残すこともない。

汚水に飲まれ、息を奪われて、
意識を閉じて「それ」を受け入れようとしたのに。
いまさら命になど執着する気はないのに。
無意識に水をかいていたのは多分、
最後にあの青を焼き付けておきたかったから。
//最期の景色が君であるように



君の目が青い色を失ってからどれくらい経つだろう。
皆には以前のまま澄んだ青い目の君が見えているのだろうが、
私には違うものが見えている。
昏く、昏く、どす黒い紅玉のような目。澱んだ血の色。

その目が私を見る度に走る寒気は、気のせいではない。
その目を見返した時、一瞬だけ以前の色が過る君の目は悲しいくらいに醜い。
殺し続ける君は私へ何かを言うことはないが、だからこそ君の目は濁ったままなのだ。

この世界はきっと君に向いている。
実際君は生まれ変わったこの世界でうまくやっているではないか。
それなのに君の目は紅く、澱んで……ああ、あいつなら違う色を見出だしただろうか。
無責任に退場したあいつは、無責任に君の心臓を奪い取ったままだ。
//血ぬれた瞳



「楽しいか?」
彼の指をかじる俺に、呆れ混じりの溜め息が降る。
「ん」
短く答えてから今度は歯を立てないようにはぐはぐと口を動かしていると、息を細く吐く音。
そっと見上げると眉を寄せ僅かに頬を染めた彼と目が合って、すぐに逸らされる。
ね、そんな反応されたら意地悪したくなるんだけど。
そっと手のひらへ舌を滑らせたら裏返った悲鳴が降ってきて、
引き剥がされたから小首を傾げる。
「駄目?」
……彼に俺のお願いが断れるわけないってことは、よおく知ってる。
黙りこんだのは拒絶ではないと解釈して
続けて指やら手のひらやらをかじったり舐めたりしていると、
成すがままだった彼が不意に動いて俺の手を掴む。
「……お返しだ」
がぶり、と指に噛み付かれて死ぬほど興奮した。
//好き過ぎてがぶり。



-210-



どこへいくの?
ねえ、そっちは川だよ。
いや、知ってる、これは夢だ。
最後のお別れなんだって知ってる、だから俺は動かない足を動かして追いすがる。
置いていかないで。
おいていかないで。
振り向きもしない、その癖振り払いもしない、あなたの冷たい手、
//(いっしょに、って言ったら困るかな)



君の未来のためだとか、
親御さんに孫の顔をだとか、
そんな下らない理由で逃げ出すなんて許さない!
たとえ地の果てまで逃げたってとっ捕まえて、ボコボコに殴ってやる!
俺がどれだけあんたを好きか、あんたはわかってない。
わかってない!
//どこにいても、きっと見つける



「眠いのか」
「眠くない」
「無理しなくていいんだぞ」
「やだ」
パソコンの前にあぐらをかいてキーボードを叩く男の背に凭れ掛かっている少年は、
眠たげに瞬きしながらも寝室へ行こうとはしない。
「先に寝てくれれば、」
「一緒に寝る」
「そうか」
「うん」
ぱちぱちと音がする。
//互いに寄りかかって眠る



見るからに童貞でくそ真面目で頭悪くて、
でも顔だけは良かったからちょっとすり寄ったら簡単に落ちた。
……俺が。
俺がどんなにアプローチしたって落ちない癖に、
なんで俺の心だけもってくかな。
真っ直ぐ俺を見るその目が眩しくってどうしようもなくて、ずるい。
//最初は遊びのつもりでした



灯りの消えた街の空は騒がしい。
あんたの話を聞くふりをして星を数えていた俺は、
不意に名前を呼ばれても微笑みを浮かべて
「ロナウドは間違ってないよ、皆のために頑張ろうね」
だなんて、思ってもいないこと。
「ねえ、愛してるよ」
あんたに冗談だと思われてるこれだけが、本当。
//満天の星空の下で



ねえ、一緒に帰ろうよ。
今度こそ手を離さないから。
下らない夢でも馬鹿にしないから。
あんたの隣で笑い続けてみせるから。
ねえ、一緒に帰ろうよ。
どうして俺の手を取ってくれないの。
どうして俺の名前を呼んでくれないの。
//一緒に帰ろう



天使だと思っていた。
君はいつも笑っていて、助けを求める者に手を差し伸べ続けたから。
天使だと思っていた。
寝食を削っても傷を負っても病に倒れても死ぬ時さえも、君は笑っていたから。
……天使なんかじゃなかった。
君は俺の心臓を持っていったままもう帰らない。
//天使だと思った



「おはよう!」
爽やかな笑顔に起き抜けで万魔の一撃を食らわせて二度寝する。
「ずいぶん寝起きが悪いな。俺だから良かったものの、『体』が低ければ危なかったぞ?」
仕方なく起き出した俺の前にいるのは頭に蜘蛛の巣をひっかけた馬鹿で、
俺は天井にある通気孔の蓋が開いているのを眺めた。

「今日こそいい返事を聞かせてもらうぞ!」
「帰れ」
「いいや帰らない!君はこんなところにいるべき人間じゃない、俺と一緒にこの世界を革命しよう!」
「マジ帰れ」

頭が痛い。
厳重な警備も張り巡らされた電脳防壁も、この男にはまるで無意味らしい。
いくら薄っぺらい説得を繰り返したところで俺の意志が揺らぐ筈もないのに、
こうして毎日毎日潜入してくる意気だけは評価してやってもいいかもしれない。
変革した世界にみっともなく生き残ってなお、折れずに再び立ち上がったのも。

「君が隣にいてくれれば、俺は絶対に負けない!君とならなんだって出来る!だから」
「俺はあんたの隣には立たないしあんたの下らない夢物語に付き合う気もない、いい加減諦めたら?」
懇切丁寧に言い聞かせてやっているのに、
馬鹿は傷付いたように眉を下げるのだ。
//オートロックすら効果無し



何がほんとうで何が嘘だろうか。
君があいつの手を取ったのは本当で、
君が俺を嫌いだと言ったのは嘘?
それとも君がこうして俺の前に立ちはだかっているのが嘘で、
一緒に行こうと手を差し伸べるのが本当?
ああ。
ただわかるのは、俺にその手は掴めないという事だけ。
//噂と嘘と一割の真実



いい加減出しっぱなしの炬燵を片付けるべく気合いを入れたのに、
なんで今さらミカンなんか買ってくるかな。
ほら時期外れてるからあんまり美味しくないし。
ああ、でも、そんな顔されたら怒れないじゃん。
これしなきゃ冬が終わらないの?
なら仕方ないね。
//炬燵でみかん



-220-



手を繋ぐのは寒いからで、名前を呼ぶのは用事があるからです。
口実がないとあなたに会うことすら出来ない俺は、でも紛れもなくあなたの恋人です。
「おいで」
手を差し伸べてくれたのを言い訳にして、キスをしてもいいですか。
//約束を口実に



君の指先が少し動くだけで雷が敵を焼き、君が少し微笑むだけで軍隊が動く。
君はいつも正しく、力に溺れたりはしないが、ただひとつ弱みがあるとすればそれは。
「ねえロナウド、次は誰を殺してほしい?」
楽しそうに囁く君は、原型をとどめていないその腐肉にそっと口づけた。
//私物化された兵器



あんたは皆の為に走り、皆の為に戦い、皆の為に笑う。
ねえご立派な守護者様、すべての人の為って事はつまり、誰の為でもないって事だろう?
だって俺はこんなに悲しい。
だって俺はこんなに苦しい。
//僕の為に笑って?



ころころと飴玉を舌で転がす。
窓際で本を読む彼の横顔が驚くほど整っている事が無性に腹立たしくなったから、名前を呼んだ。
振り向いた彼はいつもと同じ顔で、俺がそっと唇を寄せると目を閉じた。
口づけて飴玉を送り込んで、目を白黒させる彼に満足した。
//キャンディおひとつどうぞ



「ねえ、俺のこと好き?」
「好きだぞ」
「一番好き?」
「……ああ」
その一言くらい即答してよ。
あんたが俺より“皆”を優先するのは知ってるから、
どうにもならないのもわかってるから、
……嘘でもいいから、俺が一番だって言ってよ。ねえ。
//(たったその一言なのに、な。)



あまり具のない薄いスープ。
それでも二人で食べれば美味しい。
二人で食べれば。
……今日も彼は各地を飛び回り、きっとまともな食事もせずに笑っている。
そう思えば食欲なんて出るわけがない。
くるりとスプーンでスープをかき混ぜる。
冷めたスープ。
俺の心臓みたいに。
//冷めたスープ



彼の傍でうまく笑えなくなったのはいつからだろう。
ああ、彼が俺を愛してなどいないという事に気付いてからだ。
彼の愛はそのほとんどが概念に向けられていて、俺はその概念の中のひとつでしかない。
彼の愛は俺だけに向けられる事はない。
どうしてもうまく笑えない。
//いびつな笑顔



君の笑顔に違和感を覚えるようになったのは最近のことだ。
俺の隣で笑っている君が、時々酷く冷えた目をしている事に気付いたのも。
愛している、と囁けば、愛している、と返してくれる君の目は青い。
ぞっとするくらいに、青い。
//いびつな笑顔



笑顔が好きだった。
俺を振り返りもせず走っていくあの人が、時々見せてくれる笑顔が好きだった。
ずっと笑っていてほしかった。
……だが、こんな事は望んでいなかった。
もう笑わなくていい。
優しいひとが笑顔で犠牲になる世界なんか、くそくらえだ。
//優しい笑顔が好きだった



彼と同じ空なんか見ちゃいなかった。
俺は彼が尊いと思うものを見下していたし、彼が美しいというものが醜く見えた。
彼が守りたいものは俺にとって憎むべきもので、俺が愛しているのは彼だけだった。
けして彼と同じ空なんか見られない癖に、彼だけを愛していた。
//同じ空を見ていた



-230-



君と同じ空を見ていた。
君がいてくれればこの空の向こうにだって行けると思っていた。
君は聡明で強い意思を持ち慈悲深く誰よりも正しい。
だから君が俺と同じものを見て、同じものを尊く思ってくれる幸運に感謝していた。
君と同じ空を見ていた。
これからも見られると信じていた。
//同じ空を見ていた



雨の降る日はどうしてだか不安になる。
それを彼も承知していて、ぴったりと肌を寄せる俺を振り払ったりはしない。
「ロナウド」
名前を呼べば返事をして、頭を撫でてくれる手が温かいから、
俺は懸命にあの画を忘れようとする。
顔の見えない水死対の夢を、忘れようとする。
//存在をいつも確認する



また怪我をしてきた事に俺が激昂しても、当の本人は静かな目で俺を見るだけ。
「君が俺を心配してくれているのはわかるが、俺は我が身可愛さに足を止める事は出来ない」
度し難い、そういう彼を好きになったのは俺だ。
だからこそ許せなくて、悲しくて。
//(あいしてる。言えないくらい、愛してる)



鳶色の目がこちらを見る。
低く穏やかな声で名を呼ぶ。
大きな掌が頭を撫でる。
……他の誰にだってする事だ。
他の誰かにするのと同じように優しく笑って、
他の誰かにするのと同じように触れるのが、
俺にとっては特別なことなんだってあんたは知らない。
//とくべつなこと



重い。
ぬるくまとわりつくよう。
気持ち悪い。
前髪から水が落ちるのが見える。
手には感覚がない。
世界と自分の間に一枚膜があるみたい。
声が聞こえる。
泣き叫ぶ声、誰かを呼んでいる声、よく知っている声。
腕にかかる重みを思い出す。
見たくない。
この腕の中は見たくない。
//この腕の中で



一人で何もかもを背負うのは平等なんかじゃない。
せめて俺のことは背から降ろして、でなきゃあんたを抱きしめる事すら出来ない。
総てに等しく価値があるのならあんたにだって価値がある筈なのに、
ただ磨り潰されていくそのおろかさを愛してしまった俺は。
//世界で一番大事にしたかった



そんな思想は認められなかったから、正面から否定出来る陣営についた。
人類全員が等しく無価値になるような、
好きなひとが人々に共有されるような世界を認めるわけにはいかなかった。
そんな思想は壊してしまわないと、この恋を始める事すら出来ないと思った。
//面倒な恋ならば粉々にしてしまえ



そんな目で見ないで。
単純な話なんだ、ロナウドもわかってくれると思う。
俺はロナウドが好きなんだ。
……暴れないで。
そんなひどい言葉、使わないで。
俺はロナウドが好きなだけなんだ。
……駄目。
それは出来ない。
ここから出たらロナウドはまた皆の為に死ぬ。
それは駄目。
//「独占欲ってやつ」



俺の手は短くてあなたに届かない。
俺の背は小さくてあなたの視界に入れない。
俺の足は短くてあなたに追い付けない。
だからあなたには俺の声が聞こえない。
どんなに泣いて喚いて叫んだってあなたはどんどん先に進んで、
そして、俺を一人にしてしまうんだ。
//はやくおとなになりたい



恋だの愛だのまだ俺には関係のない事だと思っていた。
未熟な俺はただがむしゃらに走り続ける事しか出来ないから、
誰かを幸せにする責任を果たす事は出来ないと思っていた。
……それなのに、どうして君を見ると苦しくなるのだろう。
どうして君に触れたくて堪らないのだろう。
//今さら初恋だなんて



-240-



あんたは俺に背中を頼むとか右翼を任せたとは言わず、
下がっていろ俺に任せろと一人で走っていく。
でも俺は勝手にあんたの隣へ行って一緒に戦って、
あんたは俺を見て悲しそうな顔をする。
なあ。
なあ、俺はあんたの天使になんてなりたくない。
//きみのトナリ



俺は待ち惚ける。
自分の選択を何度思い返しても間違えたとは思わないけれど、ただ、空虚だ。
心臓がなくなってしまったみたいに体が軽くて、
少し足を踏み出せば君の元へ走っていけそうなのに、
俺の足は水面に貼り付いて動いてくれない。
見上げた橋の上では君が泣いている。
//君の名前を何度も繰り返す



俺の恋人?
そうだな……俺より年下なんだがとても気のつく子でな。
聡明で……ああ、天使みたいに愛らしい子だよ。
え? 爆発?
よくわからないが、俺は彼の待つ家に帰らなければならないから爆発するわけには、うん?
ああ、彼、だが?
……何か問題があるか?
《自慢大会



アイスは一日一個までと決められていた。
が、決めた当人は風呂に入っている。
そっと冷凍庫から取り出して、口に運ぼうとしたその時に「こら」と降ってくる声。
振り向き様にその口へソーダバーを押し込んで、あんたの分だよと笑ったら、
一瞬呆気にとられてから頭を小突かれた。
《理性と食欲



もうこの呪いからは逃れられない。
それはもう俺の全身に巡ってしまったから、身体中の血を全部抜くぐらいしないと駄目なんだ。
毎日身の内から灼かれるように苦しくて、息も止まりそうで、
この呪いを解けるのはあんただけなんだ。
ねえ、キスして。
《この血の中には呪いが流れてる



それを呪いと君は言う。
俺の指はその呪いに触れられず、
もて余した想いは身の内で煮詰められてどんどん濃く重たくなってゆく。
これは呪いだろうか。
君の呪いを解くためのものなら、呪いではないのだろうか。
……君の唇に触れれば、きっとはっきりする。
《この血の中には呪いが流れてる



君がいなくなってようやく気付いたこの度し難い愚かさを俺は噛み締める。
君はずっと俺を許し続けてくれたのに、
それに甘えた俺の愚かさが君を損ないそして俺は君を失った。
許してくれだなんて言えない。
それでも君を諦められないから、俺はもう一度手を伸ばす。
どうか。
《君のバイバイなんて信じない



知ってた。
あんたの事は誰よりも知っていた、なのにこうなってみると勝手に涙が溢れた。
最期に焼き付ける姿はあんたの顔が、あんたの声がいいって思ってたのに。
……今どこにいるの。
俺じゃない誰かを助けてるの?
少しでいいからさ、なあ、俺の為に涙を、
《(待ってた、ずっと)



例えば道端に小石があってそれに蹴躓いて転んだとして、
あんたは小石に悪態を吐くよりももうその小石に躓く人間がいないように拾い上げる人だよね。
たった一人の力じゃなんにも出来ないって誰よりも知ってる癖に、
諦める事の出来ないあんたはきっと狂ってる。
《まっすぐすぎて、わらっちゃうね



半分ふざけてプレゼントした赤いマフラー、気に入ったみたいでずっとつけてる。
寒いのはあまり得意じゃないけどこれで平気だって笑う顔が子供みたいで、
なのにドキドキして目をそらした。
君は寒くないか、って?
じゃあほら俺の手、温めて。
《長すぎるマフラー



-250-

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