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Posted by - 2020.07.06,Mon
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Posted by 新矢晋 - 2012.09.13,Thu
pixivでリクエスト募集して書いたもの。ちなみにまだ募集中。
ロナウドとウサミミがいろんなシチュエーションでキスするだけの短文五つ。

キス、キス、キス。


 現実から目を背けるように、暗闇へ隠れるように、路地裏でキスをした。
 俺たちは大分背丈が違うから、俺はいつも背伸びして彼の身体へぶら下がるようにしてその唇を受け入れていた。少しかさついた彼の唇がその焦燥や疲労をあらわしているようで悲しくて、俺はいつも目を閉じていた。
「……すまない、湖宵くん」
 そうして二人で夜を明かした後はいつも謝罪する彼に、俺はその理由も聞かずに頭を振る。理由を聞けば辛くなる。何も言わずに、ねえ、キスして。



 幼子の、まなじりに口付けるように。
 祈るように。
 愛するように。
 君に口付ける俺を、君は許してくれるだろうか。
 君を手離す勇気も君を愛する勇気も無くただ君を縛り付けて、曖昧な言葉と優しさで閉じ込めている愚かな俺を、それでも君は。「もっとシンプルに考えようよ」
 不意に伸びた君の手が俺の首に回って、噛み付くように口付けられる。
「こういう風にしたいって、つまりはそういう事でしょ?」
 悪戯っぽく笑う君の、指先が震えているのを知っている。



 ねえ、いちいちきかないで、奪うみたいにキスして。
 俺はあんたのものなんだから、もっとさあ、なんていうか、あれだ……、そんなに大事にしないでよ、わかるでしょ?わかんない?
「ロナウド、セックスしよ」
「?!……あ、ああ、ドラマの台詞か。だがそんな台詞簡単に言っちゃダメだ、」
 まだとんちんかんな事を言うあんたの唇に、がぶりと噛み付いた。



 膝の上に乗せた君の耳に、口付ける。くすぐったそうに身を捩る君を抱き締めて頬擦りすると、きゃらきゃらと笑い声があがった。「くすぐったいってば、どうしたの」
「ふ、……何でもない」
 わしわしと癖っ毛に指を差し込み撫で回してから手を離すと、君は膝の上で身体の向きを変え俺に向かい合って俺の頭を抱きかかえる。
「ロナウドって案外甘えん坊だね」
「ム……」
 否定しようと思ったが、俺の髪を撫でる君の手が優しいから、まあいい。



 俺の足元に跪き、つま先に口付ける彼をただ見下ろしていた。
 祈りのようなその仕草、眼差しは殉教者にも似た熱を孕んで俺を見る。
 ――ねえ、俺はここにいるよ。何を見てるの。ずっと遠くを見てるみたいだ。
「……湖宵くんは天使だ……」
 違う。俺は天使なんかじゃない。
 ただロナウドが好きなだけ、翼も無いしわっかも無いし何より無垢でもない。 ねえ、俺はここにいるよ。俺の声が聞こえますか?

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