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Posted by - 2020.07.06,Mon
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Posted by 新矢晋 - 2012.07.26,Thu
恐らく回帰後、既にくっついて同棲中のロナ主。
ウサミミに女装をさせたかったんだ!!!

麗しのミニスカポリス


 いつになく上機嫌で帰ってきたロナウドは、何だかお洒落な紙袋を持っていた。
「お土産があるんだ!」
「俺に?」
「湖宵くんに似合うと思ってな、少し値は張ったんだが思わず買ってしまった」
 差し出された紙袋を受け取って、コートか何かかなと思いながら中身を引き出した俺はそのまま固まった。
 ――透けそうなくらい真っ白く薄い布を何枚も重ねたフリル、細いリボンで胸元は編み上げられていて、ふんわり広がったスカートやレースをあしらった袖口はかなり着る人を選ぶだろうけど確かに可愛い。俺は詳しくないけど、ゴスロリとかロリータとかいうやつだ多分。
「……これ、女の子の服だよね」
「そうだな!だが可愛いだろう?」
 ロナウドはきらきらした瞳で俺を見ている。……何を期待されているかはわかっているが、うん、頭大丈夫?
「……可愛いけど……これ、俺が着るの?」
「湖宵くんは可愛いから、きっと似合うぞ!」
「……」
 駄目だ。この男はもう駄目だ。手の施しようがない。
「……着てみてくれないか?」
 ……もっとどうしようもない事に、俺はロナウドのこのおねだりを突っぱねる事が出来なかったのだ。


「湖宵くん……想像以上だ、凄く可愛いよ……!」
 着替えてきた俺を迎えたロナウドは、上気した顔でまじまじと俺を見た。頭のてっぺんからつま先までじっくり眺められると何だか居心地が悪くて、スカートの端を指でもにもにしている俺にも彼はお構い無しで、スマホを取り出し操作し始める。
「写真撮っていいかな?」
「えっ」
「待ち受けにすればいつでも可愛い湖宵くんと一緒だしなっ」
「誰かに見られたらどうするの?!」
「大丈夫だ!湖宵くんは可愛いから男の子だなんてわからないぞ!」
 熱っぽい目で俺を見るロナウドは、本気だ。……ロナウドってこういう趣味があったんだ。少しショックかもしれない。
「……撮ってもいいけど待ち受けは駄目」
 ああ、でも俺はこの程度でロナウドに幻滅できるほど浅い愛は持ち合わせていないし、なんとかしないといけないなと思う程度にはロナウドに甘い。
 言われるがままポーズをとって上目遣いにロナウドを見上げながら、俺はそっと溜め息を吐いた。


 ――どうやらそれでロナウドは味をしめてしまったらしい。


 色んな服を買ってきては俺を着飾らせ、可愛い可愛いと興奮した様子で誉めちぎる。ロナウドが喜んでくれるなら家で女装するくらい構わないけど、胸中は複雑だ。
 ――ロナウドは、やっぱり、女の子の恋人が欲しかったんだろうか。
 ソファに座る俺のタイトスカートから伸びる足を愛でるロナウドを眺めながらそんな事を考えていたら、ロナウドが不意に俺の顔を見上げてきた。
「どうした湖宵くん、なんだか元気が無いな」
 ……うん、現職刑事の恋人にミニスカポリスのコスプレさせられたら普通はドン引きして元気も無くなるよね、というのは黙っておくとして。
「ロナウドは、……俺が女の子になったら嬉しい?」
「嬉しいぞ!」
 即答だった。予想はしていたが少し凹む。
「そっか……」
「湖宵くんが女の子になったら、きっと素敵なお嫁さんになるな!子供は男の子と女の子が一人ずつで……」
 楽しそうに夢を語るロナウド。ずきずきと胸が痛んで、俺はちゃんと笑えているかも怪しい。
「あ、だが、湖宵くんが女の子になったら今の湖宵くんではなくなってしまうのか……それは少し寂しいな、俺は今の湖宵くんも大好きだし……」
 何やら真剣に悩みだしたロナウドの、いつもより少し低い位置にある頭をわしわしと撫でる。怪訝そうに俺を見る眼差しには答えずに、俺は小さく笑ってみせた。
「俺は女の子にはならないよ、ロナウド……ごめんね」
 思わず謝ってしまった俺に、ロナウドは顔を引き締め両手を伸ばしてきた。
「どうして君が謝るんだ?」
 俺の頬に両手を添えて、顔を覗き込む。目を逸らす事さえ出来ない。
「俺は、君が君として俺の隣に居てくれるだけで嬉しいし幸せだ!他に望む事なんて、」
 はた、と何かに気が付いたように言葉を切ったロナウドが眉を下げる。
「……もしかして、俺が君にこんな格好をさせたから、勘違いしたのか?!
 俺は別に君に女の子になってほしいわけじゃなくて、湖宵くんは凄く可愛いから可愛い服を着たらもっともっと可愛くなるに違いない!と思って、だから、」
 もしロナウドが大型犬だったら、今、尻尾は垂れ下がり耳は折れているだろう。俺の手を握って、なおも重ねる言葉は必死な響きを孕んでいる。
「湖宵くんは優しいから嫌だと言えなかったんだな、すまないっ……俺は恋人失格だ……!」
 ――真剣な声が、俺の内にも外にも降り積もってゆく。
 そうだった、ロナウドは不器用だもんね。俺のことを好いてくれている事に、他の思惑なんて絡ませられるわけがない。たまに俺が男だって事も忘れてしまうぐらいの彼だから、愛するという事に全力投球の彼だから、俺は。でも。
「ロナウド、そんなに真剣に考えなくてもいいよ。……別に、こういう格好をすること自体は嫌じゃない。ロナウドに俺のこと可愛いって思ってもらえるのは凄く嬉しいし」
「だが、」
 ――困ったような顔をしてる。面倒くさい男でごめん。
「穿った見方してごめんね。……俺、ロナウドは、俺が女の子じゃないことが不満なんじゃないかって思ってたから、」
「そんなわけ無いだろう!!」
 ぎゅうっ、と。痛いぐらい俺の手を握るロナウドの手に力がこめられた。
「不満なんてあるもんか!湖宵くんは俺の自慢の恋人だ、男だろうが女だろうが関係ないっ」
 ――正直、ぐっときた。ロナウドが現在進行形で「恋人にミニスカポリスのコスプレをさせている現職刑事」だという事を思い出さなければ、泣いていたかもしれない。ありがとうロナウドのマニア趣味。
 けど、ああ。
「何より俺はっ、湖宵くんが好きだ!大好きだ!!」
 これは、コスプレ云々を差し引いてもお釣りが来る。胸の奥の方がきゅーっとして、思わず俺はロナウドの肩に額を押し付けていた。
「湖宵くん?」
 無言でぐりぐりしていると、宥めるようにぽんぽんと背中を叩かれた。
 ……俺も好き。
 消え入りそうな声で呟いたのにロナウドにはしっかり聞こえていたらしく、弾んだ声でそうか!と返ってきて後はただ、ひたすら頭を撫でられていた。
 ――ずるいなあ。ロナウドは決して完璧な人間ではないし、むしろ欠点だらけで、俺はいつだってやきもきしたり振り回されたりで。なのに、思い出したように俺の欲しい言葉や真っ直ぐな気持ちをくれるから、嫌いになれやしない。
「……ロナウド」
「ん?」


 そっと名前を呼んでから、年下のミニスカポリスは愛しの刑事さんにキスをした。


《終》

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